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地震から家を守る『耐震・制震・免震』3つの違いを解説。最も効果的な工法の選び方とは?

テーマ:耐震工法

目次

  1. 地震から家を守るための様々な方法
  2. 『耐震パネル」を使用した耐震工法とは?
  3. パネル工法を使用した耐震工法のメリット
  4. ZERO・ONE・HOUSEで採用している地震対策とは?

1. 地震から家を守るための様々な方法

1. 地震から家を守るための様々な方法 倒壊を免れた住宅でもホールダウン金物が破断するなど、建物を守り切るのは難しい!?

地震の多い日本では、地震対策をしないで建物を建築することはありません。建築基準法に 『 耐震基準 』という言葉があるように地震に強い家をつくらなければいけないことが法律で決まっています。実に、1925年から2014年までの間に、マグニチュード7クラスの地震が48回発生しています。これは約1.8年に1回の割合で日本のどこかで大きな地震が起こっているということになります。そして、地震の多い日本ならではの地震対策(工法)が数多く開発されました。いつ起こるかわからない地震、そして必ず起こる地震から大切な家族を守るためには、地震に強い家をつくらなくてはなりません。現在、日本で地震から建物を守る工法は大きく分けて耐震工法・制震工法・免震工法の3つの方法があります。

それらの工法にはそれぞれ長所・短所がありますが、『 地震から建物を守る 』という考え方は共通していますので考え方や方法をよく理解してご自身にあった工法を取り入れることをお勧めいたします。

1. 耐震工法

1. 耐震工法

建物自体を地震力に耐える強度でつくる方法です。柱や梁を太く頑丈にしたり、柱と柱の間に耐震パネルを入れたり、筋交い(柱と柱の間に斜めに材料を入れて横揺れ時の変形を防ぐ)などが代表的なものです。近年では柱と梁を金物で固定する方法も普及してきました。

阪神淡路大震災で倒壊した多くの建物は耐震性に劣っていた建物が多く、この阪神淡路大震災をきっかけに建築基準法の耐震基準も見直されました。建物自体に耐震性を持たせることは地震に対して有効ですが、地震のエネルギーが建物に直接吸収され、建物自体が揺れるため、建物の中の揺れは他の工法に比べると大きく、壁や家具等の損傷を引き起こす可能性もあります。耐震性を高めるための方法として下記のようなものが開発されています。

  • 耐震パネル
  • 耐震フレーム
  • 耐震ブレース
  • 耐震ポール
  • 耐震補強金具
  • 耐震壁補強
  • 耐震柱補強
  • 耐震シェルター

2. 制振工法

2. 制振工法

建物の内部で地震力を吸収する方法で、柱や梁といった構造体の結合部分に地震力を吸収する制振ダンパーや制振パネルといった制振装置を取り付けて、地震エネルギーを吸収する方法です。

制振装置は建物の壁の中や天井裏に収められることが多く、基本的なメンテナンスは不要です。台風などの強風からくる建物の揺れも防ぎますが、高層ビル等への導入が多く、一般の木造住宅ではあまり導入されていませんでした。現在では木造住宅用の制振ダンパー、制振パネルなどが開発され、住宅でも多く導入されるようになってきました。建物の制振性を高めるための部材として下記のようなものが開発されています。

  • 制震ダンパー
  • 制震ブレース

3. 免震工法

3. 免震工法

建物に地震力を直接伝わらなくする方法で、建物の揺れを最小限に抑えることができるのが免震工法です。地盤と建物の間に免震装置を入れたり、免震部材を入れたりすることで、地震力が建物に入らないようにします。従来は建物と基礎の間に揺れを軽減するためのゴムやボールベアリングを使用した免震装置を設置する方法が多く採用されていましたが、膨大なコストがかかるため、いろいろな免震工法が開発されています。

実は、地震から建物を守ることに対して最も高い効果を発揮するのが免震工法です。ただし、軟弱地盤に免震工法は不適という問題点がありましたが、近年ではそれらを解決し、一般住宅へも取り入れ易くなった免震免震工法なども開発されています。 建物を免震構造にするためには、下記の2通りの免震工法があります。

  • 免震装置
  • 置換え工法

耐震、制震、免震という地震対策については、建物の状況や敷地の状況から最も適切なものを選ぶことが大切です。2つ以上の工法を組み合わせることによって、より効果の高い地震対策をすることもできます。取り入れる工法によっては保険や保証についても変わってくることがありますので、施工業者等に充分確認をしてから採用する必要があります。

大きな揺れにより架台が破壊・復元せず変位した状態と避難階段の耐力壁破断「免震ダンパーの変位」「耐力壁の破断」大きな地震時には想定以上の揺れにより、免震建築物でも損傷を受けるという事例c 大きな揺れにより架台が破壊・復元せず変位した状態と避難階段の耐力壁破断「免震ダンパーの変位」「耐力壁の破断」大きな地震時には想定以上の揺れにより、免震建築物でも損傷を受けるという事例 column_2_6.jpg それぞれの耐震工法の特長と注意点(クリックで拡大)

2. 『耐震パネル」を使用した耐震工法とは?

2. 『耐震パネル」を使用した耐震工法とは?

数ある地震対策の中でも、現在の建築基準法で建てられる住宅や低中層マンションには、すでに耐震工法を多く用いて建てるよう決められています。それらを工務店等にお任せしていくよりも、その中でもより良い工法を選択して建てていくことで、家族にとってより良い安心を持った住宅が建てられるのではないでしょうか。

耐震工法には、壁・柱・屋根・床等に対してそれぞれ工法があるのですが、その中でも、壁を補強することは一番効果があるとされています。ここでオススメしていきたいのは比較的安価であり、壁面の剛性を高めてくれる耐震パネルです。

1. 耐震パネルとは

1. 耐震パネルとは

耐震パネルは壁に対する耐震工法の種類の一つで、効果的な方法と言えます。一般的な軸組工法の場合、柱に地震の力が伝わっていくため、力のかかるところが集中してしまいます。それを軽減するために作られたのが、耐震パネルです。軸組にパネルを貼ることで、柱の角に点集中して伝わる力を辺に変え、分散させることができます。これが一部の壁だけではなく、家全体の壁として一体化され、建物の壁面全体が力を受け止めてくれる、というものです。これによって、建物のねじれや変形も防ぎ、耐震だけではなく、耐風対策にも有効な方法とされています。

また、耐震パネルには断熱材としての役割を持つものもあり、家の性能をより高められるため、一石二鳥の耐震工法だと考えられます。

しかし、耐震工法の欠点でもある建物全体でエネルギーを受け止めてしまう工法であるため、家の中のものが壊れやすくなります。家具が倒れるほどの地震ではケガをする可能性もあるため、他の工法と一緒に取り入れることが良いと思われます。

新築工事の着工で主に取り付けていく耐震パネルですが、改築で取り付けることが出来る製品の販売もされています。ただ、壁を一度取り払わなくてはならない等、手間と時間はかかるため、新築を建てる際に十分検討されることをお勧めします。

2. パネル工法とは?

2. パネル工法とは?

耐震パネルの種類には、主に、大壁パネル工法、真壁パネル工法の2種類があります。

大壁パネル工法

一般的に、パネル工法と言えば、こちらの大壁パネル工法です。建物の外側にパネルを取り付ける方法で、直接現場で建物に対し数十枚のパネルを配置し、職人の手で柱・梁に釘を直接打ち込んでいくのが特徴です。

間柱の使用本数が少ないため、真壁工法よりもコストは安く済みます。重量が軽く施工性にも優れます。しかし、大壁工法はすべてを覆うため、湿気が内側に溜まりやすい、というデメリットがあります。雨の日等の湿気が強いときに設置すると壁付近に湿気が残ったまま設置となってしまうため、季節や天候にも左右されてしまう点も頭に入れておく必要があります。メーカーによっても性質が異なりますので、きちんと調査しておくことが必要です。

真壁パネル工法

大壁パネル工法が建物の外側であったのに対し、真壁パネル工法では、室内側の柱間で壁の内側にパネルをはめ込んでいく方法で作られます。釘は壁の内側から柱に向かって打ち付けるのが特徴です。

大壁工法よりも間柱の使用本数は多くなりますが、工場で釘を打ち付けるため、品質の安定度は大壁工法より格段に上です。柱を活かした内装にも真壁工法は最適です。また、柱間の設置であるため、通気性は大壁工法よりも良く、湿気の多い日本の風土に合っているのは真壁工法と言えます。室内から設置できるため、天候にあまり左右されないという点は大きなメリットと言えます。

どちらもメリットの多いパネル工法ですが、日本の気候を考えると、やはり通気性の良い真壁パネル工法は魅力的です。

3. パネル工法を使用した耐震工法のメリット

比較的安価に使用できる耐震工法の中でも、パネル工法は簡単に設置できて効果を発揮しやすい工法であるため、問題となりやすい職人不足や、他の耐震工法よりも構造強度を確保できることがメリットです。

職人不足に対応

パネル工法では釘を打つ作業のみ、真壁パネルは工場から届いたものをはめていくだけ、と設置が簡単で、比較的早く少人数で取り付けることが出来ます。熟練の職人でなくても取り付けられるため、職人不足にも対応。少人数で設置のため、工事のコスト削減にもつながります。

構造強度の確保

パネル工法は、柱や一部の壁のみの線や点だけの強度を高めるよりも、面として家全体の強度を高めることが出来るため、より耐震効果が強いと考えられます。

4. ZERO・ONE・HOUSEで採用している地震対策

4. ZERO・ONE・HOUSEで採用している地震対策

ZERO・ONE・HOUSEで採用している工法は、耐震工法+免震工法です。家を丈夫にする耐震工法、家への負担を減らす免震工法、この二つが組み合わさることで、家族の生活をより安全に支えることができます。

ZERO・ONE・HOUSEの免震工法「スーパージオ工法」

2011.3.11の東日本大震災でも効果を発揮したスーパージオ工法は、建物と地盤の間にプラスチック製で軽量のスーパージオ材を敷くことで、地震による揺れの軽減(減震工法)と軟弱地盤への対策をしていくものです。

この製品の材料は、再生プラスチックを使っているため、錆びる心配や微生物による劣化を防ぎます。製品の種類は3種類あるのですが、軟弱地盤であるほど中の空間が広いものを使用することで、地震によって周りの地盤が液状化をしてしまっても、その中へ水だけが入っていき、地表への噴出を防止することが出来ます。溜まった水はまた安定状態へ戻ろうとするため、地表面には何も影響せずに元の状態に戻る、という仕組みです。この液状化対策が出来るという点は、今までの免震工法と大きく違う点です。

スーパージオ材の設置には深く地盤を掘り下げる必要がなく、杭を打ち込むために固い地盤まで深く掘る作業が不要なため、処理費用としてかかっていた数百万円を払う必要が無くなります。また、この手間が省かれたことで、狭小地、地盤が混合している土地、定期借地での設置も簡単に行うことが出来ます。スーパージオ材と建物の合計重量と等しい重量の土と置換することで、地盤にかかる負担を増やしません。手作業での設置が必要ですが、本体が軽量であるため、作業時間も短く簡単に行えます。手作業になったことで、これまでお任せするしかなかった地盤対策を、自らの目で確認できるようになりました。これは、安心できる家を作りたい方にとってメリットと考えられます。

ZERO・ONE・HOUSEの耐震工法「ヒートテックパネル工法」

ヒートテックパネルは、耐震パネルとしての性能を持つだけではなく、3つの空気層(トリプルエアウォール)を取り入れることで遮熱断熱性能も兼ね備えています。真壁パネルであるため、柱間にはめ込むだけで設置できます。

ゼロ・エネルギー住宅時代に備え、開発した遮熱・断熱・気密・耐震、劣化防止対策まで含めた在来軸組木造住宅用パネル構法で、105mmの壁厚でも北海道基準の断熱性能UA値0.46以下を達成する事ができ、上棟から約15日後には屋根工事を含めた雨仕舞が完了し、断熱性能・施工精度の確保と工期短縮、構造強度の劣化防止まで可能で、フラット35S、長期優良住宅にも対応可能な次世代パネル構法です。

耐震性能

壁倍率2.5~5倍の耐震パネルで耐震等級3の取得も可能です。(釘種によって壁倍率を選択できます。)
※5倍:合板両面貼り
国土交通省告示第490号より、HTPの耐震パネルとしての使用も認められています。

耐力壁の基準(クリックで拡大) 耐力壁の基準(クリックで拡大)

遮熱・断熱・気密性能

1. 壁厚105mmで北海道基準(UA値0.46以下)の達成が可能
2. 断熱材だけでは解決できない夏の暑さ対策が可能
3. 初施工でもC値0.5以下の施工精度が確保できる

「3層の空気」ヒートテック構法はトリプルエアウォール®採用(クリックで拡大) 「3層の空気」ヒートテック構法はトリプルエアウォール®採用(クリックで拡大)

劣化防止性能(ホウ酸deあんしん保証)

劣化防止性能(ホウ酸deあんしん保証)

1. パネル制作時にパネル全体にホウ酸を塗布する事で腐朽菌対策・シロアリ対策が同時にできる
2. シロアリに対する保証システム、ホウ酸deあんしん保証を付保する事で20年、3000万円のシロアリ保証が可能
3. 腐朽保証システム、ホウ酸deあんしん木材保証を付保する事で50年、5000万円の木材腐朽保証が可能

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