今話題の『ZEH』ってなに?制度の概要から補助金制度・優遇措置までわかりやすく解説します。
テーマ:ZEH セロエネルギーハウス
目次
1. 最近よく聞く「ZEH(ゼッチ)」って何?
「ZEH」とはNet Zero Energy House(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)ZEHの略で、ゼッチと読みます。
経済産業省・資源エネルギー庁によると「ZEHは、快適な室内環境を保ちながら、住宅の高断熱化と高効率設備によりできる限りの省エネルギーに努め、太陽光発電等によりエネルギーを創ることで、1年間で消費する住宅のエネルギー量が正味(ネット)でおおむねゼロ以下となる住宅」と解説されているとともに、「エネルギー基本計画(2014年4月閣議決定)」において、
・2020年までに、標準的な新築住宅でZEHを実現。
・2030年までに、新築住宅の平均でZEHを実現。
という普及目標が設定されています。また、ZEHの定義については「今後数十年~半世紀にわたり住宅分野における省エネを確保し、優良な住宅ストックを形成するためには、施工後に抜本的改善が困難な躯体の高性能化が重要」として、省エネ基準を強化した高断熱基準をZEH基準として設定しています。(下記ZEH外皮性能表参照)
ZEH外皮性能表(クリックで拡大)用語解説
一次エネルギー消費量
住宅で消費する空調・給湯・照明・換気の機器類が消費するエネルギーを合算した値です。(テレビや洗濯機等の家電は入りません)
UA値=外皮平均熱貫流率
ユーエー値と読みます。住宅から外へ逃げる熱量を表します。数値が小さいほど性能が高いことを表しています。
ηA値=冷房期の平均日射熱取得率、暖房期の平均日射取得率
イータエー値と読みます。住宅内に入る日射の割合を表します。
数値が小さいほど、住宅内に入る日射が少ないことを表します。
一般的には
寒い地域=暖房を重視=ηAの数値が大きい方が適する
暖かい地域=冷房を重視=ηAの数値が小さい方が適する。
...とされています。
ZEHの考え方
2020年から義務化される「省エネルギー基準」よりも、さらに厳しいのが「ZEH基準」です。ここまで見て頂いたようにZEHとは、高い「断熱」性能をベースに、高効率機器による「省エネ」太陽光発電などによる「創エネ」を組み合わせることで、住まいの年間一次エネルギー消費量が正味おおむねゼロになる住まいのことです。8つの地域区分に分けられ、それぞれの区分に基準値が設けられています。
簡単にまとめると...
1. 断熱性(性能値)が高い住宅に(高断熱窓や、断熱材、断熱壁材等)
2. 消費電力量の少ない設備を搭載し(LED照明や、省エネ換気システム等)
3. 太陽光発電などで、消費電力分を創り出す家の事です。(ソーラーパネル)
当然、断熱性が高いと冷暖房機器などの消費電力量は少なくなります。なので、環境にやさしい高効率の家を指した言葉との解釈で良いと思います。また、これらの取り組みを実現させるために各省庁から、補助金や優遇措置など多くの施策が実行されていますので、新築住宅をお考えの方は是非うまく取り入れてお得にマイホームを手に入れましょう。
例:
ゼロエネ住宅補助金ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス(ZEH)支援事業助成額70万円+α
2. 諸外国と比較した日本のZEH基準について
OECD(経済協力開発機構)加盟国34ヵ国中、28ヵ国で、新築・増改築時に住宅の省エネ基準への適合が義務化されています。不適合の場合には着工禁止の措置が取られる国も少なくありません。
米国、英国、ドイツ等では、省エネ基準が建築法の一部として規定、運用されていて適用範囲も新築住宅は原則全て、省エネ基準の対象範囲とされます。一方お隣の韓国においても、省エネ基準は建築法とは別の法令によって規定されていて、建築許可とは連動して運用されています。
そんな中、日本では省エネ基準はあるけれど、建築許可とは連動しておらず、その対象範囲も300㎡以上の住宅に対して省エネ措置の届け出義務はあるものの基準適合義務はありません。(2018年現在)
断熱基準について
UA値(外皮平均熱貫流率/数値が小さいほど性能が高い)を比較してみると、日本の住宅のUA値はアメリカ(カリフォルニア州)の約2倍近くあり、窓の部位ごとの熱貫流率を比較したときにも、日本の基準値は諸外国より低い水準となっています。
また、米国や英国、ドイツの住宅省エネ基準は3-5年ごとに強化されており、2013年に14年ぶりに強化された日本とは状況が異なります。
日本人は古来より、木造の住宅に住み、冬は寒く夏は暑いという気温変化を受け入れ過ごしてきました。我慢を受け入れる国民性であることも関係するのかもしれません。さらに、暖を取る方法としては、囲炉裏や炬燵など部分的に暖める方法で過ごしてきたため、家の断熱性能や省エネ性能を重視してこなかった事が考えられます。
ところが、20世紀に入り西洋文化と共に開放的な間取り、吹抜けや大きな窓などを有する建物が増え、エアコンを使って広い空間の空調コントロールが必要になってきたことから、現行の家づくりには諸外国のような厳しい基準を設け、環境にやさしい、高効率の家を創ることが今後の日本にも必要になってきました。
このような背景から日本でも国土交通省、環境省、経産省の三省協力のもと新たな基準が定められたのです。
3. 日本の住宅の目指すべき方向とは?
政府が日本のZEH普及に向けた目標やロードマップを提示しています。
ZEH普及に向けた政府の目標
1. エネルギー基本計画
我が国では、「エネルギー基本計画」(2014年4月閣議決定)において、「住宅については、2020年までに標準的な新築住宅で、2030年までに新築住宅の平均でZEHの実現を目指す」とする政策目標を設定しています。
2. 地球温暖化対策計画
「地球温暖化対策計画」(2016年5月閣議決定)において、「2020年までにハウスメーカー等が新築する注文戸建住宅の半数以上をZEHにすることを目指す」としています。
3. 未来投資戦略2017
2017年6月に閣議決定された「未来投資戦略2017」では、「2030 年までに新築住宅・建築物について平均で ZEH(ゼロエネルギーハウス)・ZEB(ゼロエネルギービル) 相当となることを目指す」こととし、中短期工程表のKPIとして「2030年の新築住宅及び新築建築物について平均でZEH、ZEBの実現を目指す」こと、及び「2020年の新築住宅の省エネ基準適合率を100%とし、ハウスメーカー等の新築注文戸建住宅の過半数をネット・ゼロ・エネルギー・ハウス化する」ことを位置付けています。
※KPI=(Key Performance Indicator)重要業績評価指数
参照:http://www.enecho.meti.go.jp/category/saving_and_new/saving/zeh/
4. 「ZEHプラス」と「HEAT20」
ZEHプラスとは?
2018年度に新しく設定されたより高度なZEHの定義です。
・通常のZEHの条件に加え一次エネルギー消費量の25%削減(通常のZEHの場合20%削減)
・外皮性能はHEAT20のG2程度
・ECONET LITE AIF認証を取得したHEMSの採用
・EVコンセントの設置
・太陽光発電装置の設置
HEAT20とは?
「2020年を見据えた住宅の高断熱化技術開発委員会」を略して「HEAT20」と呼びます。民間の基準になりますが、目標とする断熱レベルUA値を設定していて、ZEHより上の水準を挙げています。「外皮性能(断熱・遮熱・通風・採光など)の向上」の重要性と必要性を理解してもらうために、室温という最もわかりやすい指標を用いて、エネルギー性能やコストとのバランスのなかで目指すべき水準を示していくべきと考えているとのことです。
5. ZERO・ONE・HOUSEとは
『ゼロ・ワン・ハウス・プロジェクト』は将来の地球環境を守るため、温室効果ガスを抑制する、『ゼロ・エネルギー・ハウス』を目指しつつ、『地域オンリーワン』を目指す地域中小工務店を後方から支援し、環境保護と建築を融合するためのサスティナブルな取組みでもあります。
そして私たちは、そこに住む人の目線に立った考え方と、住まう人が『安心・安全で、健康・快適に過ごせる』というキーワードを基に、それぞれの分野のエキスパートにアドバイスを受けながら考案・開発した商品を揃え、豊富な知識と経験を武器に、21世紀の住宅業界を牽引していく強い意思を持って取組んで来ました。
断熱性能・耐震性能・温熱環境等、性能を数値で表すことで建物の様々な環境性能を見える化する時代がやってきました。その性能は、家づくりに関する確かな技術とノウハウが必要です。
ZERO・ONE・HOUSEの構成
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1. CCF STYLE
CCF STYLEは、次世代をになう高性能住宅のために考案、開発された「床暖房+全館空調」システムです。一般的には屋外としている床下を室内空間として捉え、空気を熱媒体に利用して床下から家全体を効率的に冷暖房することで、冬は室温よりも床温度が1~3℃程度暖かくなり、夏は室温よりも床温度が1~3℃程度低くなります。
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2. HEATTECH FAN 100
ダクトレスの熱交換換気扇です。給気ユニットと排気ユニットからなる第一種換気扇(第三種でも可能)で、リバーシブルフローファンが正回転と逆回転を交互に行い、ユニット内の蓄熱エレメントが吸熱と排熱を繰り返すことで熱交換換気を行います。100φの熱交換換気扇なので防火・準防火地域でも、防火ダンパーが要りません。
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3. NON SICK
調湿効果・脱臭消臭効果・有害物質除去という空気清浄化による健康増進・快適効果をもった自然素材でできた塗装剤です。断熱性能・気密性能のよくなるこれからの住宅では家の中にホルムアルデヒドを持ち込まないだけでなく、ホルムアルデヒドの除去が可能な壁材を選ぶことで、大切な家族を守る家づくりを実現できると考えます。
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4. ヒート・テック構法
在来軸組工法に劣化防止特殊耐震パネル(ヒートテックパネル)を組み込むことで北海道基準の断熱性能(UA値0.46以下)をクリアします。HEATTECH構法は壁体内に3つの空気層(トリプルエアウォール)を持つことで熱損失を大幅に削減します、また、快適な住まいに必要な要素である遮熱性能(夏対策)、断熱性能(冬対策)、気密性能を持ち合わせた最新の省エネ型住宅です。さらに壁倍率2.5~5倍の耐震パネルで耐震等級3の取得も可能。
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5. 免震deあんしん保証「スーパージオ工法」
建物の重量と同等の土を取り除き、そこへスーパージオ材を敷き詰めて地盤を軽量化。その結果建物を支える力を保つ置換工法です。SG内に間隙水を取り入れ、水圧による噴砂を防ぎ、液状化時に安定化させます。
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6. ホウ酸deあんしん保証
パネル制作時にパネル全体にホウ酸を塗布する事で腐朽菌対策・シロアリ対策が同時にできる。安心安全なホウ酸による謀議処理です。シロアリに対する保証システム、ホウ酸deあんしん保証を付保する事で20年、3000万円のシロアリ保証が可能。ホウ酸deあんしん木材は50年、5000万円の木材腐朽保証が可能。
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7. 施工検分録
いい家に永く住まうために必要なのは、確認申請書や検査報告書、施工完了時の検査済証をはじめとする施工履歴をきちんと残して大切に保管していくことです。施工検分録は、建物が完成するまでに係るすべての関係者が現場状況を写真やデータで同時に共有できる仕組みです。