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温熱環境研究コラム

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室内の温度を保ちながら換気ができる『熱交換換気扇』ってなに?

テーマ:換気システム

目次

  1. 熱交換換気扇とは?
  2. 熱交換換気扇のしくみ
  3. 熱交換換気のメリット・デメリット
  4. 熱交換換気扇の種類
  5. ZERO・ONE・HOUSEで採用している熱交換換気扇

1. 熱交換換気扇とは

1. 熱交換換気扇とは

熱交換換気扇とは、そのままの外気温度の給排気を行う換気扇とは異なり、部屋の温度を保ちながら換気が出来る、より高性能な換気扇です。第一種換気と熱交換換気を組み合わせる事で、24時間換気の室内を快適な温度に保つことが可能です。

換気の種類

換気方法は主に3種類あります。

換気の種類

第1種換気設備

給気と排気のどちらも換気機械を使う方法。設置場所によって空気の流れが作れます。室内の気圧を一定に保つことが出来ますが、機械換気のみのため、他の換気設備に比べ、単純に見ても倍の電気料金がかかります。

第2種換気設備

給気のみを換気機械で行い、排気を自然換気で行う方法。病院や、部屋に外気を取り入れたくない場所で取り入れられます。部屋に空気を強制的に取り込むため、室内が正圧状態になりやすく、一般的ではないため、ほとんどの住宅では取り入れられていません。

第3種換気設備

排気のみを換気機械で行い、給気を自然換気で行う方法。トイレやキッチンなど、臭いや汚れた空気を他の部屋へ流したくない場所で取り入れられます。居室に取り付けた場合、排気のみが機械のため、高性能な住宅ほど負圧になりやすく(扉が重くて開けにくくなるなど)、そうでない住宅は負圧になりながらも隙間風が入るようになります。しかし、安価で設置可能なため、現在の住宅の大半に第3種換気設備は取り入れられています。

※外部の風が強い場合など、自然吸気口より空気がよく入る場合には、第3種換気設備が合うことがあります。

2. 熱交換換気扇のしくみ

2. 熱交換換気扇のしくみ

熱交換換気扇とは、給排気換気扇に熱を吸収する蓄熱材が導入されている換気扇のことです。換気扇が蓄熱材を通して給排気をすることで、室内の熱の吸収・放出を繰り返し、室温を一定に保つ働きをします。換気方法には第1種換気・第3種換気が主流となっており、第3種の場合は、自然給気換気扇に蓄熱材がつく形となります。

室温を保つために重要な熱交換率については、各社製品によって異なります。

また、ほとんどの製品にはフィルターがついており、花粉等の侵入を防ぐ働きをします。これらの構造で作られていることから、定期的な蓄熱材の掃除、フィルターの交換も必要となります。そのため、お掃除のしやすさも重視すべき点の一つと言えます。

3. 熱交換換気のメリット・デメリット

3. 熱交換換気のメリット・デメリット

熱交換換気により、常に新鮮な空気を取り入れながら、建物もしくは部屋全体を常に一定の温度に保つことが出来ます。室内の熱を逃がさないため、夏場のクーラー・冬場の暖房の効率を向上させます。また、フィルターの効果によって、1年中、花粉やPM2.5などの微細な物質も除外できるため、花粉症の方、赤ちゃんから高齢者までの健康を守ってくれる点もメリットと考えられます。

デメリットとしては、外気温と室温の差が大きい寒い地域では電気料金を下げられますが、寒暖差があまりない暖かい地域ではあまり効力を発揮しないという点です。しかし、常にきれいな空気を取り入れたい方には気にならない点かと思われます。

4. 熱交換換気扇の種類

4. 熱交換換気扇の種類

熱交換換気扇には、主にダクト式とダクトレスの2種類があります。従来熱交換換気扇と言えばダクト式の大がかりなものとなっていました。近年、ドイツで技術開発が進みダクトを使わずに熱交換を行う最新のダクトレス換気扇が多くみられるようになってきました。

1. ダクト式とダクトレスの違い・比較

ダクト式は、空気を暖め循環させるため、本体からダクトを通じて換気を促す仕組みを持ち、天井・壁・床下に本体を収納して空気を循環します。天井や壁の中にダクトを通すため、空間を多く使います。あとでダクトが通せない、とならないために、設計段階で予め計画をしておく必要もあります。ダクトの掃除・メンテナンスも定期的に行う必要がありますが、家中に張り巡らされたダクトを個人で掃除するのは困難であるため、業者に頼む必要があります。設置するにあたり初期費用は高く、ダクトレスよりもランニングコストも高くなります。

一方のダクトレスは、各部屋であまり場所を考慮しなくても設置することが可能で、室内に機械が設置されるため、手の届く範囲にあり、掃除も楽です。定期的に掃除をする必要があるのはダクト式と同じですが、ダクトがないため、自分で掃除が出来るという点で大きな違いがあります。ただし、ダクトレスの場合は、気密性が重要となってくるため、高気密・高性能な住宅向きの換気方法となります。

また、どちらも全館の空気を行き渡らせるため、ドアはアンダーカット等の空気が通るものを使用します。(換気扇が標準設置されているトイレ・浴室、換気の必要のない収納室は含まない。)24時間全館空調なので、排気を自然換気にしている第三種よりも、給排気を機械換気にしている第一種の電気料金は高くなります。

導入の際にはこれらの点を考える必要があります。

  • 住んでいる地域でどれほど効率化できるのか(温かい地域ではあまり効果を発揮しない)
  • 住宅の性能に合っているか(高性能住宅でないとダクトレスは性能を発揮しない)
  • 室内に掛かる圧力は気にするのか(風が強い地域でない限りは、第三種は負圧になる場合がある)
  • 初期費用・ランニングコスト・メンテナンス費用はどれくらいであれば負担出来るのか(ダクト式は全体的にやや高い)

2. 主なダクト式熱交換換気扇のメーカー

・三菱電機株式会社
・パナソニック株式会社
・日本スティーベル株式会社
・日本住環境株式会社
・株式会社LIXIL
・ガデリウス・インダストリー株式会社(第三種)
・株式会社MAX(全熱交換)
・協立エアテック株式会社(全熱交換)
・ジェイベック株式会社

3. 主なダクトレス熱交換換気扇のメーカー

・株式会社駒匠
・日本スティーベル株式会社
・パッシブエネルギージャパン株式会社
・エディフィス省エネテック株式会社
・OK―DEPOT

ダクト式とダクトレスの比較(クリックで拡大) ダクト式とダクトレスの比較(クリックで拡大)

5. ZERO・ONE・HOUSEで採用している熱交換換気扇

5. ZERO・ONE・HOUSEで採用している熱交換換気扇

HEATTECH FAN100

防火地域でもFD(防火ダンパー)無しで採用出来る、ダクトレス熱交換換気扇のHEATTECH FAN100は、70~200秒で給気と排気を切り替えるリバーシブルファンを使用しており、空気の逆流を防ぐため、虫などの侵入を防ぎ、また、風が強い地域でも採用することが出来ます。他社の製品と比べて消費電力が少ないため、ランニングコストも少なくご利用いただける製品です。PM2.5対応空気清浄フィルターを標準装備しており、赤ちゃんからご高齢の方のすべての方の健康を守ります。

㈱駒匠の製品である、CCFSTYLEと連動することで、きれいな空気を循環させながら全館空調管理も出来る点もメリットの一つです。

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